' sohhaku OHYAMA' memorial,
Dr. OHYAMA KAMPO PHARMACY
and ACUPUNCTURE & MOXIBUSTION CLINIC


大山宗伯記念 大山漢方堂薬局 同鍼灸院 カウンセラー
大山博行(おおやまひろゆき)
General Manager
Dr. HIROYUKI OHYAMA (Ph.D)


ご挨拶
大山漢方堂薬局(東洋医学(漢方薬・鍼灸)専門=鍼灸院併設)では、現在、地元、近隣の方々をはじめ、
北海道から九州、沖縄県の人まで、日本全国、遥か遠方からのご相談者も多くいらっしゃいます。
皆様からのご信頼、本当にありがたく思います。 私達は、この事実を謙虚に受け止め、皆様のご期待に副えるよう、
現状に甘んずることなく、日々進歩する東洋医学、最先端の漢方薬、鍼灸治療をご提供できるよう、技術研鑽、情報収集他、
心して、日々、精一杯の努力を致しております。 漢方薬局店内は狭く煩雑で、ご迷惑をおかけして、申し訳ありませんが、
どうぞ、お気軽にお入りください。 また、漢方薬と鍼灸治療の併用をお考えのお客様、プライバシーを特に気になさるお客様、
ご家族での相談を希望されるお客様には、ゆったりとした、鍼灸治療室、健康相談室(カウンセリングルーム)もございます。
どうぞ、ご来店前に、事前予約をお願い致します。
0283-22-1574(イゴ・不安・ナシ)


 岡山大学医学博士(分子細胞医学)、 徳島大学薬学修士(生物薬品化学)

栃木県出身、東洋鍼灸専門学校(素霊学園)にて、東洋医学の古典、臨床を学ぶ。
1987年 徳島大学薬学部大学院修士課程修了。(生物薬品化学)
1987年〜1995年まで、株式会社ツムラ、本社、企画開発室、漢方製剤開発部にて、新しい漢方薬の開発研究および薬理研究に注力。
その間、1989年より、岡山大学医学部分子細胞医学研究施設神経情報学部門に国内留学し、
脳の老化のメカニズムと抗痴呆作用、抗てんかん作用を持つ漢方薬の薬理研究に注力。
主に電子スピン共鳴装置(ESR)を用いた漢方薬のフリーラジカル(活性酸素)消去作用の研究を実施。
強力な活性酸素消去作用を持つ漢方薬は、活性酸素が関与する様々な疾患(痴呆症、アルツハイマー、がん、動脈硬化など)の発病を
予防できることを科学的に証明。1996年に、岡山大学医学部大学院より医学博士の学位を取得。(分子細胞医学神経情報学)
専門分野は、分子細胞医学、生物薬品化学であるが、東洋医学の古典にも精通し、
日本最大の漢方薬メーカー株式会社ツムラ(本社企画開発室漢方製剤開発部)在職時より、
幅広く日本の漢方薬理研究推進業務に携わり、漢方薬、鍼灸の効果を、科学的見地から評価できる研究者の1人として知られている。
1999年より、大山漢方堂薬局、漢方カウンセラー。 
現在は、得意とする、不妊症、肥満症、不安神経症(自律神経、精神疲労、心の不安)、アレルギー(花粉症、皮膚病)、
痴呆症(アルツハイマー、脳血管性痴呆)、がん(悪性新生物)の漢方相談を中心に、独自の東洋医学(漢方薬・鍼灸)治療を実践している。
趣味:フラメンコギター、水彩画、一人旅(主に、地中海沿岸の国々が好き)
好きな言葉:「士は、己を知る者のために死す。」
座右の銘:「才能と努力、謙虚さ」
好きな韓国ドラマ:「宮廷女官チャングムの誓い」 薬食同源と伝統医学(漢方薬・鍼灸)、冬虫夏草、薬味箪笥、他
現在、お気に入りのCD:布施 明さんの新譜 「Ballade バラードT&U」

著書に、「脳を守る漢方薬 - 光文社カッパブックス1999年」がある。

 


はじめに、

「ストレスと心の科学」 脳を守る漢方薬@ 医学博士大山博行著

「知に働けば角が立つ、情に棹させば流される、意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい」
これは、1906年(明治39年)に、夏目漱石先生が、「草枕」の冒頭で嘆いた言葉です。
漱石先生は、長年胃潰瘍に苦しめられて49歳の若さで亡くなってしまいました。
漱石先生も生きることのむずかしさ、人間関係の複雑さ、世の中の厳しさを身にしみて感じていたに違いありません。
1935年にカナダのセリエ博士がはじめて使用した「ストレス」という言葉を、もし漱石先生が知っていたら、
この有名な言葉も、「人の世は、ストレスが多くて、住みにくい」と簡単になっていたかもしれません。
さて、世は、まさにストレス時代です。突然暴落しては、急上昇する株価、思うように対応できない円高や産業構造の中で、
現役の社長さんや中間管理職、サラリーマンの突然死も相次いで起こっています。
国民全体のイライラ感がピークに達したのか、人をすぐに殺してしまう事件も目立ってきました。
将来の展望もつかみにくい時代になったのか、物事の考え方にも、思いやりや、暖かさが欠け、
否定的コミュニケーションや、攻撃的発言が渦巻き、お互いがショックを受ける毎日です。
何とかしなければなりません。
さて、私の著書、ストレスと心の科学、「脳を守る漢方薬」は、毎日のストレスを、東洋医学(漢方薬、鍼灸、マッサージなど)
と臨床心理学の方法論で解放できることを、豊富なデータをもとに紹介しています。
例えば、ストレスを受けて緊張している人の筋肉は、あちこちで収縮して、短くなっている状態です。
きつい言葉を吐く人の顔は、ひきつっていて、手は固く握り締められています。
それを聞く、私たちの肩の筋肉もこわばっていて、手はそわそわ動いて、じっとしていられなくなり、
思わず早口に、もっときつい言葉を返してしまいます。そうなると、心臓は高鳴り、胃は痛み、額には冷や汗が出てきます。
思わず、トイレに駆け込むと、思ったように排尿もできず、便まで、トギレトギレになって、
食欲も、性欲もなくなってしまいます。何か変です。簡単に説明すれば、これがストレス反応なのです。
そして、身にかかるストレスをうまく解放してあげないと、心身の病が発症してしまいます、、、、、、、(脳を守る漢方薬)

続く、


「心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば運命が変わる。」(ウイリアム・ジェームス)


「すべての病は、心の乱れから始まる」 脳を守る漢方薬A 医学博士大山博行著

「人間は、心が健康でないと、幸福になれない。」
創造の神は、人間の脳に「幸福」と「永遠」という、2大イメージをインプットしている。
つまり、人間は、「幸せの中で永遠に生きること」、これを獲得するために突き進んでいる。
そして、これを達成する、唯一の手がかりが、「心の平安」、「良心の洗練」である。
お金、物質、恋人、地位、名声、たとえ、第三者から見れば、羨むような生活をしていても、
心が病んでいては幸福になれない。心が揺れていては、幸福になれない。
妬み、嫉妬、他人を陥れようとする醜心、策略、闘争、物事が自分の思い通りにならないと怒り、苦しみ、
裏切られ、復讐しようとする心、欲望にとらわれた心に肉体が支配されていると、「柔和な心」は得られない。
そればかりか、そういった悪魔的な心に肉体が支配されていると、知らず、知らずのうちに、人間の情動をつかさどる「大脳皮質」が荒廃し、
しいては、人間の健康を維持する最高指令中枢、「視床下部」の自動調節機能(生体防御システム)が乱れ、
その人間の遺伝子的に貧弱な部分、弱点になる組織、臓器の器質的障害、病変が発症する。
さらに、神経をすり減らし、うつ状態、無気力、精神疲労、神経過敏、パニックなどの精神神経障害を誘発してしまう、
能力、才能のある者に嫉妬し、妬み、陥れるような人間に「心の平安」はありえないし、そういった風潮のある組織は自滅の道を進む。
ここで、一つ問題なのは、この嫉妬という感情は、人間の脳の一番深い所に遺伝子的に組みこまれている情報で、
すべての人間が経験する感情である。ということ、驚くことに、創造の神も嫉妬し、イエスキリストも嫉妬する、ということである。
ましてや、不完全な人間が「嫉妬」するのは、あたりまえであるが、創造の神は、「良心」という感情も同時に脳にインプットしており、
これが、うまく制御して大事にいたらない。しかし、自分より美しい者に嫉妬し、自分より優れた者に劣等感を懐き、
自分より脚光をあびている者、繁栄している組織を妬み、陥れようとし、物事が自分の思い通りにならないと怒り、
キズつき、
ショックを受け、パニックを起こし、そして、この感情があまりに大きくなり、良心で抑えきれなくなると、「大脳皮質」の荒廃が始める。
つまり、神経を過剰に興奮させ、すり減らし、老化のスピードを速め、脳神経細胞の脱落を誘発する。
また、精神がひどく不安定になり、恐ろしい考えに支配されたり、通常では考えられない異常な行動をとってしまう。
さらに、健康を維持する、最も重要な4つの生体防御システム、ホルモン(内分泌)、自律神経、代謝、免疫の自動調節機能が乱れ、
自己免疫疾患、虚血性疾患(心筋梗塞、脳血管障害)、がん、認知症を誘発するきっかけを作ってしまう。
ここで、良心を持った人間にとどまり、「心の不安」から解放されるためのカギは、「謙虚さ」である。 
つまり、自身の「傲慢さ」を諫め、いかに、「謙遜」になれるか、いかに「寛容」になれるか、、、、、、、、、(脳を守る漢方薬A)


続く、



「健康と長寿の科学」 脳を守る漢方薬B 医学博士大山博行著

ボケずに100歳まで生きるために、

東洋思想の1つに、「天人合一」という考え方があります。
天と人とは1つである、すなわち、人間は大宇宙の一部であり、大自然の一部であるというものです。
言い換えれば、人間はそれ自体、小宇宙であり、小さな自然であるとの考え方です。
私が本書で提唱してきた「養生(ようせい=命を養う)」の大切さも、この東洋的な自然観から生まれたものです。
破壊された大自然のなかでは、人間は健康でいられるはずはありません。
大自然を守り、順応して生きることが、みずからの意志で命を養い、よりよく生きることにつながります。これが「養生の道」の極意です。
一個の「自然」である私たちの人間の体には、生まれながらにあらゆる疾患に対しての完璧な防御システムが備わっています。
ところが私たちは、つい無理をしたり、体を休めることを忘れたり、暴飲暴食などの欲望のままに行動してしまいがちです。
その結果、完璧なはずの生体防御システムにわずかな乱れが生じてしまいます。
私たちを取り巻くストレスは、このわずかな生体防御システムの乱れを逃さずに襲いかかってきます。
酸化ストレスによる活性酸素の攻撃もその1つです。
誰もがかかる風邪でも、放っておくと重病になることがあるように、この生体防御システムの乱れにつけこむストレスをそのまま放置すれば、
最初は軽い乱れでも、徐々に大きくなってしまいます。
その結果、老化を早めたり、成人病などの発病につながり、最後には取り返しのつかない重病が待っています。
その最たるものがガンや虚血性心疾患であり、本書のテーマであるアルツハイマー病や脳血管性痴呆症です。
逆にいえば、生体防御システムを活性化させてストレスから身を守るようにすれば、
アルツハイマー病や脳血管性痴呆症(認知症)にならずにすむはずです。
これが東洋医学でいうところの「未病(みびょう)」の段階での対処の大切さです、、、、、、、、、、(脳を守る漢方薬)

続く、



大山漢方堂薬局 漢方カウンセラー 医学博士 大山博行(おおやまひろゆき)

大手漢方薬メーカーの研究開発部門に在籍し、内外の研究施設と共同して漢方薬の効果を科学的に解明、

臨床心理学の手法を導入した独自の問診票で検査データに出ない不具合の原因を探求。

大山漢方堂薬局の問診票には、西洋医学の医療機関では問題にされないような症状の項目が多数存在している。例えば、髪の毛や爪の状態、汗のかき方、睡眠の状態、気分的なことなどについて細かく症状が記されチェックできるようになっている。 これらは、一般的な現代医療では特別な疾患が疑われない症状だが、漢方の診断では非常に重要なものだ。
漢方の基本的な考え方に、「気・血・水」というものがある。これらは、人間の命を司るエネルギーと考えられ、「気・血・水」のエネルギーが不足したりバランスが崩れると、症状が出たり病気になると考えられている。
大山漢方堂薬局には、西洋医学的見地から普通一般に問題にされなかった症状に、悩み苦しんで来局される患者さんもも多い。
こういった苦しみは、臨床検査データには、まったくと言っていいほど、問題にされない不具合であるが、大山漢方堂薬局の問診票を使用することで、深く読み解くことが可能となり、東洋医学的方法論を用いるための病態を見極めることができる。
東洋医学的見地から、こういった不具合は、前述の「気・血・水」のエネルギーバランスの崩れと考えられる。それを整えることができれば、人間の生命のエネルギーを整えることにつながり、しいては患者さんは苦しみから解放される。東洋医学(漢方薬・鍼灸・気功)の方法論には、「気・血・水」のバランスを整える方法論が多数存在している。また問診票にチェックされた項目を見れば、「気・血・水」の何が足りず、何が過剰で、何の臓器の機能が弱っているかを推し測ることができる。そのうえで、患者さんの体質を把握、「証」を決め、その人に一番合った漢方薬を調合し、鍼灸治療の経絡を決定するのが大山漢方堂薬局の方法論なのである。

東洋医学の二大方法論を併用する。
現在一番気になる症状を取り除く、「標治方法論」と、患者さんの悪い体質を改善する「本治方法論」を併用して効果を上げる

東洋医学(鍼灸治療、漢方薬)の方法論(病態把握法、治療方針決定法)は、まず、四診(問診、望診、聞診、切診)を行う。
望診とは、患者さんの顔色や表情、体全体の様子、舌の状態を見る。聞診とは、耳を使った方法論をさし、一般的な情報の他に、患者さんの声の高さや大きさなども、東洋医学方法論決定(漢方処方決定、経絡選定)の手がかりとなる。切診(鍼灸治療に用いる=経絡治療の診断法)とは脈と腹部の状態を直接触って把握する。四診によりその人の体質の特徴もわかる。同じような症状が出ていても、体質によって処方の内容が異なる。ぴったり合った処方ができれば、飲んだ数分後にすーっと症状が引くこともめずらしくない。少ない生薬でシャープに効くのが日本漢方の長所であり特徴である。
東洋医学、特に漢方薬の効き目は穏やかで、効果が出るまで時間がかかるというイメージがあるが、鍼灸治療を併用すれば、症状を素早く改善させることも可能である。つまり、漢方薬と鍼灸治療を併用すれば「即効性」を期待できる。ここが、古くから「漢方薬と鍼灸は、東洋医学の車の両輪」と言われ続けた由縁である。
東洋医学の手法(漢方薬・鍼灸治療)には、前述した二面性が存在する。この二面性をうまく取り入れた治療方法論、治療方針を確立することが一番重要であり、術者の技量、つまり腕の見せ所となる。すなわち、患者さんの現在一番気になる症状を取り除く「標治方法論」と、患者さんの悪い体質を根本から変える「本治方法論」の二つである。
標治方法論のための漢方処方、鍼灸経穴は、素早く効くが、本治方法論には数週間から数カ月、数年かかることもある。
東洋医学の基本を簡単に説明すれば、現在のもっともつらい症状を標治法を用いて楽にしながら、本治法を併用して、乱れたバランスを整え、悪い体質を根本から変えていく。これが、東洋医学の醍醐味である。もっとも優れた方法論と言える。
東洋医学の養生(ようせい=命を養う)論とは、
標治法と本治法二つの方法論をより効果的に進めるためには、実は、もう一つ「養生(ようせい=命を養う)方法論」が必要になる。
これは、簡単に言えば、人間が生きるために行っている生活習慣の悪い点を改めること。つまり、食習慣(衣食住)、運動、呼吸、心理・思考、性生活(SEX)などの日常の生活習慣を見直し、悪い点を改善することがとても重要である。
食べ物は、人間の体を作り直す基礎となるもので、季節に合った食事をするのが基本で、これがいちばんいいと考えられている。基本である。
体の中の乱れと食事、生活習慣、生活環境の乱れを調整することが、人間の命を司るエネルギーバランスを整えるためには必要になる。
実際に、病気になったことをきっかけに、優れた指導者にめぐり合い、生活習慣を改善し、人間の本質、思考までをも、東洋医学的に変え、難病を克服し、打ち勝っていく患者は少なくない。

西洋医学の三大療法(手術、抗癌剤、放射線)の副作用防止、延命、がん治療に負けない体力作り、がんの免疫療法
がん治療に漢方を併用すると患者さんのQOL(生活の質、満足度)が、確実に向上する

大山漢方堂薬局には、不妊症、肥満症をはじめ、アレルギー疾患、膠原病、自律神経失調、精神疲労、心の不安や更年期、低血圧、皮膚病など、西洋医学の方法論では症状改善が思うようにいかない抵抗性、難治性の疾患や症状を持つ患者さんも少なくない、その中には、ボケやがんの患者さんも7%ほどを占める。「手術、抗がん剤、放射線療法(3大療法)と平行して、東洋医学(漢方薬・鍼灸)の治療を行い、抵抗力を付け、副作用を軽減したい。」という患者さんがほとんどである。がんの治療には、苦しい副作用がともなうが、漢方薬・鍼灸の併用で和らげることが可能である。
さらに、がん治療を終えた後に、再発や転移を予防したいという目的で、来局される患者さんも多い。
そのほか、がんやその治療による不具合、骨転移などの痛みの改善を求めて来局する患者さんもいる。
大山漢方堂薬局の調合漢方薬(オーダーメイド)は、体に優しい、まったく安全な自然の植物を原料とした「生薬・薬草」を使っているので、患者さん一人、一人に合ったきめの細かい漢方薬の調合が可能になる。もちろん、同じ症状でも体質などが異なれば調合も変わる。オーダーメイドの個別化治療が、当たり前のこととしてできるのが、調合漢方薬「生薬・薬草」のメリットである。
近代、ゲムノ医療の進歩から、オーダーメイド、テーラーメイドと言われる個別化治療が可能となり注目を集めているが、東洋医学(漢方薬・鍼灸治療)は、2000年も前からそれを実践してきたのである。最近では、科学の進歩により東洋医学(漢方薬・鍼灸)の効果の科学的根拠を探る研究も多くなされている。私たちは、日本最大の漢方薬メーカー(株)ツムラの研究開発部門に在籍して、東洋医学(特に漢方薬)の科学的根拠を探る研究を、ツムラ内外の最先端の研究施設と共同して全国的に推進してきた。これまで、東洋医学(漢方薬・鍼灸)の効果は、再現性と客観性に乏しいこと、なぜ効くのかその作用メカニズムがあまり解明されていないこと、を理由に科学的でないと言われてきたが、これからは、歴代の東洋医学の賢人達の知恵を科学的に解き明かす時代になる。大山漢方堂薬局、大山鍼灸院は、臨床における東洋医学(漢方薬・鍼灸治療)の治療と同時、並行して、科学的研究を行い、東洋医学(漢方薬・鍼灸)の効果を少しずつ解明していくことが最重要であると考えている。
東洋医学(漢方薬・鍼灸)を志す者は、常に新しい情報を取得し、己の腕を磨き続ける向上心、貪欲なまでの探究心が必要。
知識欲を旺盛に持って、人間、自然、生きること研究し、経絡選定、漢方処方の腕をみがくことが、しいては、私の調合漢方薬を服用してくださる患者さんのメリットにつながっていく。ここに、東洋医学を志す者の生きがいを強く感じる。





医学博士 大山博行 研究業績

1)

Age-related difference in synaptosomal membrane fluidity

Hiroyuki Ohyama, Midori Hiramatsu, Norio Ogawa, Akitane Mori

Biochemistry and Molecular Biology International 37,133-140,1995

Department of Neuroscience, Institute of Molecular and Cellular Medicine, Okayama University Medical

School, 2-5-1 Shikatacho, Okayama 700, Japan

and *Division of Medical Science, Institute for Life
Support Technology, Yamagata Technopolis Foundation,

Yamagata 683 Kurumanomae, Numagi, Yamagata 990, Japan


2)

Effect of Japanese herbal medicine(TJ-960) on neuronal membrane fluidity of mice

Hiroyuki Ohyama, Midori Hiramatsu, Rei Edamatsu, Akitane Mori

Magnetic Resonance in Medicine 6, 279-281, 1995


3)

Effect of Japanese herbal medicine(TJ-960), on aging

Midori Hiramatsu, Rei Edamatsu, Hiroyuki Ohyama, Akitane Mori

Lipid-Soluble Antioxidants:Biochemistry and Clinical Applications.

pp.535-552,Birkhauser Verlag,Basel,1992


4)

Combined treatment of Japanese herbal medicine(TJ-960)with low dose of dipropylacetate increased the latent time for

pentylenetetrazol induced convulsion and decreased brain lipid peroxidation in mice.

Hiramatsu,M., Liu J, Edamatsu,R., Kadowaki,D., Hamada,H., Ohyama,H., Watanabe,S., Mori,A.

Neuroscience 18, 71-76,1992


5)
Estimation of nitric oxide and nitric oxide synthase activity in SAMP8 mouse brain

Habu,H., Yokoi,I., Kabuto,H., Ohyama,H., Mori,A., Teraoka,H., Komaru,N.

in: The SAM Model of Senescence (T.Takeda, ed.) pp.343-346,Elsevier Science B.V., Amsterdam, 1994


6)

Age-related changes in nitric oxide content and nitric oxide synthase activity

in senescence-accelerated mouse (SAM P8) brain

Yokoi,I., Inada,K., Habu,H., Kabuto,H., Mori,A., Ohyama,H., Iwaya,K., Koyama,S., Nishijima,Y., Nishijima,K.

in: Oxidative Stress and Aging (R.G.Cutler, L.Packer, J.Bertram, A.Mori, eds.)

pp387-391, Birkhauser Verlag, Basel, 1995


7)

UNESCO / Costam Workshop on Lipid-soluble Antioxidants in Biochemistry of Nutrition and Environmental Health

1991.9.21 (Malaysia)

Effect of Japanese herbal medicine(TJ-960), on aging

Midori Hiramatsu, Rei Edamatsu, Hiroyuki Ohyama, Akitane Mori


8)

Society for Free Radical Research 1991.9027 (Paris)

Japanese herbal medicine(TJ-960) affected free radicals, SOD activity,

lipid peroxidation and neurotransmitter in aged rat brain

Midori Hiramatsu, Rei Edamatsu, Hiroyuki Ohyama, Akitane Mori


9)

5th International Congress on Oxygen Radicals 1991.11.18 (Kyoto)

Decreased membrane fluidity in rat synaptosomes induced by active oxygen species,

guanidino compounds and convulsants

Midori Hiramatsu, Rei Edamatsu, Hajime Hamada, Hiroyuki Ohyama, Akitane Mori


10)

5th International Congress on Oxygen Radicals 1991.11.20 (Kyoto)

Antioxidant effects of the extracts of gastrodia fleta bl. and uncaria rhynchophylla (MJQ) jacks

Jiankang Liu, Hajime Hamada, Hiroyuki Ohyama, Akitane Mori.


11)

The First International Conference on Senescence: The SAM Model 1994.3.17 (Kyoto)

Estimation of nitric oxide and nitric oxide synthase activity in SAMP8 mouse brain

Habu,H., Yokoi,I., Kabuto,H., Ohyama,H., Mori,A., Teraoka,H., Komaru,N.


12)

The First International Conference on Oxidative Stress and Aging 1994.3.25 (Hawaii)

Age-associated changes in nitric oxide (NO) content and nitric oxide synthase (NOS) activity

in senescence accelerated mouse (SAM P8) brain

Yokoi,I., Inada,K., Habu,H., Kabuto,H., Mori,A., Ohyama,H., Iwaya,K., Koyama,S., Nishijima,Y., Nishijima,K.


13)

International Conference on Bioradicals Detected by ESR Spectroscopy 1994.6.13 (Yamagata)

Effect of Japanese herbal medicine(TJ-960) on neuronal membrane fluidity of mice

Hiroyuki Ohyama, Midori Hiramatsu, Rei Edamatsu, Akitane Mori


14)

International Symposium on Natural Antioxidants: Molecular Mechanisms and Health Effects (ISNA) 1995.6.21 (Beijin)

Antioxidant defenses of Japanese herbal medicine(TJ-960) , against free radical induced neural cell damages

Akitane Mori, Hajime Hamada, Hiroyuki Ohyama, Midori Hiramatsu, Seiichi Shinohara



Reference

1)

Mixed Japanese Herbs and Age-Related Neuronal Functions

Midori Hiramatsu and Makiko Komatsu

Antioxidant Food Supplements in Human Health,edited by Lester Packer,

Midori Hiramatsu,Toshikazu Yoshikawa,pp.412-428,1999

2)

Effects of Japanese herbal medicine(TJ-960), on neuronal membrane fluidity of mice

Hiroyuki Ohyama,Midori Hiramatsu,Rei Edamatsu,Akitane Mori.

Magnetic Resonance in Medicine 6,279-281,1995

3)

Antioxidant effect of TJ-960, a Japanese herbal medicine, against free radical-induced neuronal cell damage

Akitane Mori, Hajime Hamada, Hiroyuki Ohyama, Midori Hiramatsu, Seiichi Shinohara

International Symposium on Natural Antioxidants: Molecular Mechanisms and Health Effects(ISNA),pp.45-53.1996

4)

Effect of TJ-960 on generalized seizure in amygdaloid kindled cats

Susumu Iizuka, Atsushi Ishige, Kyoji Sekiguchi, Akira Sugimoto, Kouichi Itoh, Masaki Aburada, Eikichi Hosoya, Eiichi Sugaya

Recent Advances in the Pharmacology of Kampo Medicines pp.62-68,1988

5)

Normalizing effect of SK commercial formula on cytochalasin-B distorted neurites using primary cultured neurons of rat cerebeal cortex

Aiko Sugaya, Mitsutoshi Yuzurihara, Tadashi Tsuda, Eiichi Sugaya

J. Ethnopharmacol., 21: 193-199,1987.

6)

Effect of Kampo Medicine Preparations Using the Pathological Model of Dementia

Michihiro Fujiwara

Brain Research Conference for Japanese Kampo Medicine pp.67-81,1990

7)

Estimation of nitric oxide and nitric oxide synthase activity in SAMP8 mouse brain

Habu,H.,Yokoi,I.,Kabuto,H.,Ohyama,H.,Mori,A.,Teraoka,H.,Komaru,N.

The SAM Model of Senescence(T.Takeda,ed.) pp.343-346,

Elsevier Science  B.V.,Amsterdam,1994

8)

Mixed Natural Antioxidants

Hiramatsu,M.

Food and Free Radicals,edited by Hiramatsu et al.

Plenum Press,New York,pp.113-117,1997




References 1

(1) Whitehouse P.J., Price D.L. and Struble R.G. Alzheimer's disease and senile dimentia: loss of neurons in the basal forebrain. Science 215, 1237-1239, 1982.

(2) Price D.L., Whitehouse P.J. and Struble R.G. Alzheimer's diseases. Ann. Rev. Med. 36, 349-356, 1985.

(3) Appleyard M.E., Smith A.D., Wilcock G.K and Esiri M.M. Decreased CSF acetylcholinesterase activity in Alzheimer's disease. Lancet 20, 452, 1983

(4) Lovell M.A., Ehmann W.D., Butler S.M. and Markesbery W.R. Elevated thiobarbituric acid reactive substances and antioxident enzyme activity in the brain in Alzheimer's disease. Neurology 45, 1594-1601, 1995.

(5)Mutisya E.M., Bowling A.B. and Beal M.F. Cortical cytochrome oxidase activity is reduced in Alzheimer's disease. J. Neurochem. 63, 2179-2184, 1994.

(6) Hensley K., Carney J.M., Mattson M.P., Aksenova M., Harris M., Wu J.F. and Floud R.A. A model for α-amyloid aggregation and neurotoxicity based on free radical generation by the peptide: Relevance to Alzheimer disease. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91, 3270-3274, 1994.

(7) Kasai H. and Nishimura S. Hydroxylation of deoxyguanosine at the C-8 position by ascorbic acid and other reducing agents. Nucleic Acids Res. 12, 2137-2145, 1984.

(8) Shibutani S., Takeshita M. and Grollman A.P. Insertion of specific nases during DNA synthesis past the oxidation damage base 8-oxodG. Nature 349, 431-434, 1991.

(9) Cheng K.C., Cahill D.S., Kasai H., Nishimura S. and Loeb L.A. 8-Hydroxyguanine, an abundant form of oxidative DNA damage, causes G→T and A→C substitutions. J. Biol. Chem. 267, 166-172, 1992.

(10) Prasad G.S., Lovell M.A. and Markesbery W.R. Increased nuclear DNA oxidation in the brain in Alzheimer's diseases. J. Neurochem. 71, 2034-2040, 1998.

(11) Sohal R.S., Agarwal S. and Sohal B.H. Oxidative stress and aging in the Mongolian gerbil (Meriones unquiculatus). Mech. Ageing and Dev. 81, 15-25, 1995.

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生活の質の向上QOL(quality of life)と漢方医学

@QOLの変化―大学病院漢方クリニックでの調査
 慶應義塾大学病院漢方クリニックの力石千香代氏らは、漢方治療が全人的医療であることを重視し、そのQOL(quality of life)に対する評価について、
従来の疾患別の調査ではなく、疾患の枠組みを乗り越えた調査を行うべきだ、との考えから、この目的の用件を満たすWHO-QOL-26評価スケールを用い、
治療前後の変化を調査・検討してみた(日本東洋医学雑誌、1999;49【6】180)。
 このWHOの評価スケールとは、QOLを以下の5領域26項目に分類して評価を行うものである-1身体的領域(7項目)2心理的領域(6項目)3社会的領域(3項目)4環境(8項目)5全体(2項目)。
 対象は、同クリニック受診以前に漢方治療を受けておらず、3カ月以上にわたって50%のコンプライアンスをもって漢方薬を服用した15例。
患者の同意を得て、治療前と治療3カ月目に、WHOスケールで得点の変化を比較検討した(統計解析は、paired t-検定を用いた)。
 その結果、治療後の平均値は治療前と比較し有意な改善を認めた(p<0.01)。
これを領域別にみると、2心理的領域と5全体で有意な改善(p<0.01)、4環境でも改善傾向(p<0.1)が認められている。
Aがん患者QOLへの効果
 「癌細胞に対する宿主の生物学的応答を修飾することによって、治療効果を招来せしむる薬物または試み」と定義されているBRM(Biological Response Modifiers)が、
近年注目を集めるようになり、日本BRM学会も組織されている。
 その第10回学術集会総会において、東札幌病院緩和内科の樽見葉子氏らは、BRM製剤的な作用が期待される漢方製剤を、終末期癌患者に単独投与して、
身体症状とQOLスコアおよび免疫機能を測定した結果を報告した(Biotherapy,1998;12〔5〕820-822)。
 対象は進行癌患者9人(男5人・女4人)で、年齢は54歳〜76歳、内訳は腎細胞癌3人、肺非小細胞癌と乳癌が各2人、肺大細胞癌と悪性繊維性組織球腫瘍が各1人、全員が病期Wで転移がある。
以前の治療は、54歳の乳癌患者のみ治療なしで、その他8人は化学療法を受けていた。
 これら患者に、漢方製剤7.5g/日の1ヶ月間単独治療を行い、その前後にQOLの評価と免疫機能の測定をした。
QOLの評価は、栗原班のQOL質問票と単一尺度のアナログスケールの方法で行った。
免疫機能は、NK活性、CD3(+)、CD8(+)、CD4(+)/CD8(+)比、CD20、IL-6を測定した。
 投与した漢方製剤とその人数は、人参養栄湯5人、補中益気湯3人、柴苓湯1人であった。
 その結果、免疫機能検査の有意な改善は認められなかったが、自覚症状の改善と栗原班のQOLスコアの改善を認め、「漢方薬は有用な癌治療法であることが示唆された」としている。
 なおこれらの漢方製剤に関する作用機序については、すでにいくつかの研究がある。
たとえば慶応義塾大学医学部消化器内科の金子文彦氏らは(消化器癌の発生と進展、1997;9:465−468)、
補中益気湯、十全大補湯、人参養栄湯のヒト培養肝癌細胞に対する直接の抗腫瘍効果を検討。
その結果、生体防御機能を回復させる以外に、直接に癌細胞の増殖を抑制している可能性が示唆されたとしている。

B免疫能とQOLの改善をみたC型肝硬変合併末期肝癌
 進行した末期肝癌でがん性疼痛をきたすような場合は、一般には緩和療法としてモルヒネで鎮痛を行い、食事の摂取が不十分であれば栄養状態の改善をはかるため中心静脈栄養が付加される。
北海道厚生連鵡川厚生病院の井齋偉矢氏は、このような状態の患者に補中益気湯を投与したところ、
長期延命効果は得られなかったが、免疫能とQOLの改善をみたと『別冊・医学のあゆみ 肝疾患の漢方治療』(1998;135−136)に報告した。
 患者は83歳男性、95年6月20日初診。30歳代と40歳代に出血性胃潰瘍に罹患した時、大量の輸血を受けた。
86年から、輸血によると思われるC型肝硬変で治療を受けていたが、94年1月、腹部超音波検査にて肝癌(S5)が発見され、
手術と抗癌剤動注療法は高齢のため適応外とされたので、テガフール/ラウシル配合剤の経口投与を受ける。
95年になり多発性であることがわかり、全身状態などが悪化したため、地元での治療を希望し来院。家族歴に特記すべきことはなし。
 初診時は、全身倦怠感を主訴とし、食欲も不振で、体重45kgとやせていた。
テガフール/ウラシル配合剤は中止し、外来通院治療でツムラ補中益気湯(7.5g/日)を投与した。
 その後、全身状態と食欲は改善傾向にあったが、8月7日癌性疼痛で入院し、塩酸モルヒネ座薬10mgを8時間ごとに投与。
漢方薬は経口摂取不能のため中止したが、2週間後に再開。中心静脈栄養は入院1ヵ月後に中止できた。
9月から安定した状態が続き、11月下旬から外出可能となり外泊もしたが、12月下旬から腫瘍の急速な増大と全身状態の急速な悪化があり、96年1月24日肝硬変とDICのため永眠となった。
 井齋氏は「補中益気湯の投与開始後、末梢血リンパ球数およびNK細胞活性が上昇し、それに伴ってQOLの改善もみられたことから、
免疫能の改善が臨床症状の改善に寄与した可能性が示唆された」と述べている。

Cインターフェロンとの併用でCRを得た腎細胞癌肺転移例
 確立された有効な治療法がなく予後も不良な、遠隔転移を有する腎細胞癌の症例において、BRM剤であるインターフェロンと漢方薬を併用しCR(complete response:完全消失)を得た、
と富山医科薬科大学泌尿器科の里見定信氏らが報告した(泌尿器外科、1994;7〔2〕165−169)。
 患者は63歳、男性、88年に肉眼的血尿で近医を受診するが、異常なしと言われ放置。
90年10月血痰で赤十字病院内科を受診、左腎細胞癌肺転移と診断され、90年10月17日当科に紹介された。
 身長156cm、体重46・0kg。腎CTで左腎上極に径約6cmの充実性腫瘍を認め、左腎の選択的腎動脈造影で左腎上極に著明な血管新生像とtumor stainを認めた。
 90年10月25日、左腎動脈塞栓術を施行。
10月30日、経腹膜的左腎摘出術を施行し、肺転移巣にrIFN-?-2a 3×10 6単位、計18回筋注を施行するが、NC(no change:不変)でしかも副作用があり中止。
91年2月18日退院となり経過観察していたが、6月3日よりrIFN‐?1×10 6単位、週2回静注に変更し、
さらに食欲不振・易疲労感が持続していたので当院和漢診療部と相談し、補中益気湯7.5g/日(分3)の経口投与を併用した。
 投与1ヵ月後、胸部X線検査では明らかなcoin lesionは20×18oの1個だけになり、さらに投与4ヵ月後には、転移巣は胸部CTでも認められず、4週間以上新病巣の出現もないのでCRと判定した。
91年12月には入院前の体重46.5kgにもどり、92年1月から、rIFN‐?1×10 6単位、週1回静注に変更し継続投与しているが、30ヵ月間にわたりCRを維持している。
自覚症状では、漢方薬投与1ヵ月後より腹痛が消失、2ヵ月後より食欲不振も消失している。
 里見氏らは「補中益気湯は、インターフェロンの副作用軽減にも有意義な薬剤と思われた」と述べ、さらに「本症例では、補中益気湯により誘発されたIFN-?と低用量rIFN?とが相乗的に作用し、
有効であったのではないかと考えられる」とし、「漢方薬が患者の証とあえば、インターフェロンとの併用療法も有効であることが示唆された」と考察している。

D化学療法中止となった悪性リンパ腫
 東京大学医学部第一内科の永井良樹氏は、西洋医学的治療が主流の悪性リンパ腫について、腫大したリンパ節が縮小・消失した1例を報告
(漢方の臨床、1999:46┃3┃611‐616)し、漢方治療に反応しうる例もあることを示した。
 患者は69歳、男性。下肢のしびれ感を主訴として98年6月来院。現病歴は、95年7月、悪性リンパ腫のため某医大血液内科に入院。
計8回(入院中2回、退院後外来で6回)の化学療法を受けたが、96年5月再発のため再入院し、化学療法を4回受けたところ、しびれ感を両下肢(膝から下)と手の指先に覚えて歩行困難となった。
 初診時は、身長173p、体重63s、血圧150/80oHg、上下肢の筋力および触覚・痛覚の異常なし、右顎下部に直径2.5p、1p、右則頸部に1.5×1p、左顎下部に2×1・5pのリンパ節が触知された。
 治療は、主訴に対して牛車腎気丸料などを投与したが無効なので、原病の治療を行う方針に変えた。
 炎症性のリンパ節腫大に用いられる小柴胡湯に梔子(3.0)と枳実(3.0)を加えた処方(大塚敬節氏の症例報告あり)に、さらに抗癌作用が期待される生薬かわらたけ(8.0)を加えた。
この処方を投与したところ、2週間後に右顎下部と側頸部のリンパ節が縮小し、さらに2週間後にはいずれも触知しなくなり、左顎下部および鼠蹊部にあった腫大リンパ節も縮小した。
そのため、予定していた化学療法は中止となり、また検査の結果、LDH値も漢方治療前約600が374まで下降していたという。

E消化器癌術後のQOL改善
 術後の体力低下や免疫機能低下への漢方療法の有用性につき、神奈川県立がんセンターの岡本堯所長らは、最も使用頻度の高い十全大補湯を実験・臨床両面から検討した
(日本消化器外科学会雑誌、1995:28┃4┃971‐975)。
 そのマウスによる実験では、悪液質誘起作用のあるTNFによる体重減少の阻止、NK細胞活性低下の軽減を認めた。
 臨床的には、アンケート形式でQOLを調査し、その時点での生化学的・免疫学的な検査と比較検討した。対象は109例(男55例・女54例)。
疾患の内訳は、胃癌31例・結腸癌40例・直腸癌26例・乳癌7例・肺癌5例で、消化器系の癌の術後がほとんどであった。
漢方薬は、十全大補湯が長期投与され、ほかに潤腸湯・補中益気湯も使用された。
 術後のQOLは、身体的状況については90%以上、精神的状況については85%以上が満足していると回答した。
易疲労性は術後に最も増大した愁訴(約60%)であるが、免疫学的にはNK細胞との相関が認められた。

F胃切除後の吻合部狭窄による消化器症状の消失
 胃切除後にしばしば出現する、つかえ感・嘔気・もたれ・上腹部膨満感などの、吻合部狭窄による消化器症状は、西洋医学的治療では難しいものが多い。
慶応義塾大学病院漢方クリニックの福澤素子氏らは、これらの症例には、術直後例と長期経過例のいずれにも漢方治療が大変有効であると述べている
(日本東洋医学雑誌、1999;49〔6〕155)。
 症例1は、59歳、男性。胃癌で胃を切除(B-I法)したが、15日目に吻合部浮腫による狭窄があり、外科より治療を依頼された。
漢方薬の茯苓飲を投与したところ、翌日には症状の改善をみた。2日後に胃内視鏡検査で吻合部浮腫の軽減を確認、食事摂取可能となった。
 症例2は、68歳、男性。早期胃癌(Uc)で胃を切除(B-I法)し、11日後に吻合部狭窄によるつかえ感・胃癌が現れた。
退院後1年間外科で治療を受けるが、改善しないため受診。茯苓飲を投与し、約2週間で症状はほとんど消失した。
 症例3は、64歳、男性。胃潰瘍で胃を切除(B-I法)したが、その後約5年間、つかえ感・もたれ・上腹部膨満感などが続き、外科で治療を受けたが改善しないため受診。
茯苓飲を投与したところ、約2週間で上腹部膨満感が消失、1ヵ月後には症状がほとんど消失した。

GCrohn病患者のQOL向上
 現在Crohn病は原因不明のため、治療ではQOLの向上がその目的となる。
長期経過中にしばしばイレウスが生じて、手術が必要となることもあり、しかも再燃再発率が高いので、特にイレウス対策が重要である。
これに対しては漢方薬が有用な治療の一つである、と東京の社会保険中央総合病院内科・高添正和氏らが述べている(Digestion & Absorption,1997;20〔1〕48-53)。
 対象は53例(男42例・女11例)、年齢16〜53歳(平均33・4歳)いずれも同院Crohn病外来に通院治療中で、病変部腸管狭小化を呈し、
在宅成分経管栄養(1日600〜900kcal)を行っている。病型は小腸型28例・小腸大腸型25例で、腸管切除あり32例・なし21例、口側腸管拡張あり19例・なし34例。
 同院では腸管狭窄小化を認めた患者には、イレウスの発症を予測し、在宅で患者ができる方法(坐薬・浣腸)や緊急時の連絡方法を教えて、来院から入院に至る段階的アプローチをとっている。
来院時の腹部単純写真でイレウスを確認した時点で、大建中湯5gを投与し、それで効果のない時は入院してイレウス管挿入となる。
 今回の患者では、大建中湯投与後のイレウス改善に要する時間を検討し、以前の非投与時の状態を比較対照とした。
 その結果を口側腸管拡張の有無で分けてみると、拡張を伴う例では大建中湯投与によりイレウスを解除し得たのは19例中9例(時間4〜48時間)で、13例が入院の転機をとっている。
しかし、拡張を伴わない例では、全34例が外来治療で12時間以内(平均5・76±2・10時間)にイレウスが消失して、入院の必要はなかった。
なお拡張を伴わない例での非投与時のイレウス解除時間は平均84・82±30・02時間で、これと比較すると用途時のほうが有意に短縮している(p<0.001)。
高添氏は「QOLの向上に資すること甚だしく有用であると思われる」と述べている。

H術後イレウス治療に対する有用性
 大建中湯については、東京慈恵医科大学第2外科の古川良幸氏らが、消化管運動に対する作用と術後イレウス治療に対する有用性を検討し、報告している
(日本消化器外科学会誌、1995;28〔4〕956-960)。
 イヌによる基礎実験では、大建中湯の消化管運動に対する作用が、初めて科学的に証明された。
すなわち、大建中湯投与後に胃、十二指腸、空腸、回腸の運動亢進が観察され、胃粘膜麻酔後では、これらの運動亢進作用は全く認められなかった。
 臨床的検討では、イレウスで入院した93例を対象にした。うち手術例24例(大建中湯投与6例・非投与16例)、
保存的治療69例(大建中湯投与20例・非投与49例)で、いずれも症例の背景に偏りはない。
有意差を認めたのは在院日数で、投与群21.8±2.4日に対して非投与群27.7±2.9日であった。
 古川氏らは、「イヌによる動物実験の結果から、大建中湯の経管的投与の場合、最大効果発現時間までには約30分かかり、
投与後この期間はイレウス管を解放すべきではないものと考えられた」とし、さらに「イレウスに対する大建中湯療法は、
外科医が期待する以上に有効である場合が多く、患者のquality of lifeの面からも、いたずらに手術を急ぐよりも、まず第一に用いてよい治療法であるものと考えられた」と考察している。 
 なお同じ外科領域で、横浜市立大学医学部救命救急センターの杉山貢助教授が、術後癒着製イレウスに対する大建中湯エキス顆粒(TJ100)の効果を、
多施設共同研究している(Progress in Medicine,1993;13:2901-2907)。
そして、主治医の総合評価でやや有用以上が61例中88.5%と、良好な成績が得られたとしている。

I高齢者のADL改善における有用性
 代表的な補剤(免疫力、造血機能、消化機能などを引き出し活性化する作用をもつ薬剤)である補中益気湯が、
加齢に伴って低下する心身の諸機能の改善に有用かどうかを検討した報告が、第49回日本東洋医学会学術総会で、
愛媛大学医学部医科学第2の二宮裕幸氏らによって行われた(日本東洋医学雑誌、1998:48┃6┃155。
 対象は老健施設の入院患者で、これを補中益気湯投与群と、対照群として大棗(ナツメ)3g単独投与群にわけ、
それぞれ4週間投与し、その前後に血液生化学検査、精神神経学的検査、自覚症状およびADL改善後のアンケートなどを行い検討した。
 4週間投与完了したのは、補中益気湯群8名(男1名・女7名、平均年齢84.1歳)、対照群8名(男3名・女5名、平均年齢83.5歳)であった。
 臨床検査結果では、投与前後に有意な変化は示されていないが、日常生活動作(ADL)の評価としてのBarthel Indexの変化が改善を示した。
これは、「日常生活に介護の程度が軽くなり、自立してものごとを行うようになる傾向を示している」。なおいずれの群でも肝障害や腎障害の発症はなく、副作用も認められなかった。

J療養型病床群における効果
 療養型病床群とは、慢性期医療の定額科の方針により、一部公的介護保険に向けて導入された病巣群で、
一般病院に比べ患者1人あたりの医師・看護婦数は少ないかわりに、病床面積が広く、介護スタッフや食堂・談話室・風呂などの諸設備が充実している。
患者の大部分は老年痴呆や脳血管障害後遺症で、ほぼ西洋医学的な治療は完了し、あまり有効な治療がないという問題をかかえている。
 医療法人壽生会・寿生病院の下手公一氏らは、200床の療養型病巣群において、西洋医学のみを学んできた医師4人に1年間漢方医学を教えながら、
漢方治療を自由に行ってもらった結果を検討している(医療経営情報、1999;No.113:16-18)。
 その結果、最も顕著な動きは、患者一人当たりの薬剤費の急激な減少であった。
西洋薬のみ使用の平成9年度上半期が1日1人当たり1394円であったのに比べ、漢方薬を併用した平成10年度上半期は同じく741円(うち漢方薬は117円)で、
減り方も偏ったものでなく多岐にわたるものであった。概算すると200床の病院で、年間4767万円の節減になる。無理に中止したものではなく、自ずと減っていったものだという。
 使用した漢方薬は、上から順に当帰芍薬散、人参養栄湯、十全大補湯、八味丸、抑肝散加陳皮半夏、麻子仁丸、補中益気湯、柴胡桂枝湯、真武湯、牛車腎気丸で、
有名な処方がほとんどである。しかしある程度の勉強は必要で、毎日少しずつ漢方の教科書を輪読した成果であろうとしている。
 患者に対する影響としては、以下の3点が上げられている。
1.第三、第四世代の抗生剤が大幅に減少し、さらに第一、第四世代のものまで半減していることから、
易感染性について有効であったこと(他院かr転院時にすでに持っていたMRSAが、漢方薬で消失した例もあり)。
2.精神不安や意識低下などの精神症状に大変有効で、徘徊したり暴れたりすることが少なくなったこと。
3.食欲不振が著明に改善する例が多く、点滴が少なくなり、スタッフの時間の節約にもなったこと。

K意欲低下型脳血管性痴呆に対する効果
 筑波病院の橋本京子氏らと東京女子医大神経精神科の研究グループが、老年期痴呆のうち意欲低下型の脳血管性痴呆患者に対して、
桂枝加竜骨牡蠣湯を投与した結果を、『日本東洋医学雑誌』(1998;48〔6〕155)に報告している。
 対照は、筑波病院入院中の60歳以上の患者、男5名・女7名。全員が長谷川式痴呆スケール5点未満の重度痴呆で、意欲低下型の脳血管性痴呆患者である。
漢方薬は7.5gを1日3回、6週間投与され、精神症状と東洋医学的身体所見(舌・脈・腹部など)について経時的な変化を検討し、これら両面から効果を判定した。
 結果は、1名が合併症で死亡したので残り11名で検討した。長谷川式痴呆スケールの改善例はなかったが、全般改善度では著明改善3例・中途度改善5例・軽度改善2例・不変1例・悪化0例であった。
また部分症状別効果では、発動性、不安・心気症状、発語、認知障害において有意な効果が認められた。身体所見では、投与前に腹直筋痙急を示した7例中6例が、投与後に著明改善を示した。
 本橋氏らは、「全般改善度は、軽度改善以上の効果が80%以上と効率であり、今後有効な治療法の一つと考えられた」と総括している。

L寝たきり老人のADLを著明に改善
 リハビリテーション主体の寝たきり老人に漢方薬を使用したところ、著明に日常生活動作(AOL)が改善できた、
とリバーサイドホスピタル東洋医学センター(長野県)の川俣博嗣氏らが報告した
(日本東洋医学雑誌、1996:47┃2┃253‐260)。寝たきり老人に対する、漢方医学の寄与を具体的に示す例として注目される)。
 報告は2症例で、症例1は76歳、女性。93年8月くも膜下出血(前交通動脈の動脈瘤による)で倒れ、
クリッピングが行われた。約5ヵ月間の入院で寝たきり状態となり、リハビリテーションとADLの改善を目的に、94年4月同センターに入院。
 入院時は身長156p、体重42s、血圧140/70oHg、脈拍80/分整、両下肢に軽度の麻痺、著明な廃用性萎縮、意欲の低下があり、
基本動作は全介助状態。血液検査で高コレステロール血症を認めたほか、異常所見はなし。
 約2ヵ月間、六君子湯エキスとリハビリテーションを行う(後の1ヵ月ほどは人参湯エキス併用)が、ほとんど寝たきり状態で、リハビリへの意欲もなし。
6月から腹部の漢方的所見を重視し、小建中湯に変更した。10分程度の座位保持と、介助による立位可能となるが、リハビリへの意欲は不十分。
そこで10月初旬、小建中湯よりも虚労タイプに用いる黄耆建中湯(小建中湯+黄耆10g)を投与したところ、
2週間目頃より徐々に意欲の上昇が得られ、ADLが改善し、身の回りのことが自分でできるようになり、95年7月退院となった。

続く、





                                      


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