漢方薬専門 大山漢方堂薬局
特集:子宮筋腫と東洋医学(漢方薬・鍼灸)


子宮筋腫は、女性疾患の中で、最も多い腫瘍で、日常でよく見られる疾患です。
特に30歳代後半から40歳代前半の主婦によく見られます。
その発生率は、35歳以上の女性の約20%といわれています。

子宮筋腫は、できる場所、でき方によって名前が付けられています。
大部分は子宮体部筋腫であり、これを一般的に子宮筋腫と呼んでいます。

子宮筋腫の症状

@過多月経(月経量が多い)
A月経痛(月経時に痛む)
B不妊症(子供ができない)

が三大症状として挙げられています。

その他、
C月経の回数が増える頻発月経、
D下腹部の膨大(腫瘤接触)、
E子宮筋腫増大による圧迫症状(頻尿や便秘)
F貧血(月経量増大や月経回数増加によって起こる)
注)貧血は、徐々に起こるので、自覚されないことが多い。

自分でもできる子宮筋腫の診断法は、まず腹部の触診です。
手で触って子宮筋腫が触れるかどうかを見ます。
触れた場合(腫瘤確認)、次に、産婦人科に行って、西洋医学的(超音波、CT、MRIなどを用いて)に
子宮筋腫の発生部位や大きさを確認します。

子宮は、エストロゲン(卵胞ホルモン)の刺激をうけて成長します。
思春期ごろからしだいに大きくなり、成熟期には鶏の卵大になります。
やがて更年期に入ると、女性ホルモンが減少するので、しだいに小さくなり、
老年期には梅干し大の大きさにまで縮みます。

「筋腫」とは、良性の腫瘍のことです。

子宮が成長するのにつれて、子宮の筋肉層でも、やはりエストロゲンの刺激を受けながら、
筋腫がしだいに成長していくのではないかと考えられている。
(まだ、医学的にも、原因がはっきりしていない病気の一つ)

子宮筋腫は、発生する場所によって、名前が分かれる、

・しょう膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)
・筋層内筋腫(きんそうないきんしゅ)
・粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)
・頸部筋腫(けいぶきんしゅ)

筋腫があっても、小さい場合は、症状がないものも多い。

筋腫が大きくなるにつれて症状が出てくる。
月経過多と月経痛がもっとも多い症状である。
月経過多になると、不正出血をしたり、月経の量が多いだけでなく、レバーのような血のかたまりが混じってくる。
また、月経時に多量の血液が出るために、貧血になったり、動悸・息切れがしたり、めまい、倦怠感などの症状も現れる。
筋腫がさらに大きくなると、周囲の臓器を圧迫し、その結果、下腹部痛、便秘、排尿障害、腰痛などを併発する。
筋腫のできる場所によっては、流産や不妊の原因になることもある。


子宮筋腫の検査

超音波断層法により、筋腫を映しだし、チェックする。
悪性腫瘍かどうかを鑑別するために、MRI(磁気共鳴画像装置)やCTスキャンを使うこともある。
また、膣から超音波の器具を入れて調べる場合もある。


子宮筋腫の治療法

@手術療法、A薬物療法、B経過観察

どの治療法を選択するかは、下記、情報が必要となります。


a) 筋腫の大ささ(こぶし大以上のものは、症状がなくても原則として手術で取り除く)
b) 筋腫の発育速度
c) 月経痛、圧迫症状、貧血などの有無
d) 発生部位
e) 子宮筋腫が不妊や流産、早産の原因となる場合

f) 分娩(べん)障害が予想される場合

g) 妊娠子宮と子宮筋腫との合併
h) 各種ガン(卵巣腫瘍など)との区別が困難な場合

これらの情報をもって、担当医師は、治療法を選択します。


筋腫があっても小さくて、特に症状が出ない場合→ 治療はせず、経過観察のみ。

症状が出てくる場合→@薬物療法、A手術療法 を行う。

@西洋医学的薬物療法

偽閉経療法=エストロゲンの分泌を抑制するGnRHアゴニストという薬で月経を止める。
月経を止めることによって、症状の改善をはかる。
この療法を使えば、半年から1年で筋腫は小さくなり、症状も軽減される。が、薬をやめると、元に戻ってしまう。
したがって、根本治療として使える治療法ではなく、閉経に近い女性に使うことが一般的である。
なお、この療法には、薬の副作用があり、手足の冷え、イライラ、のぼせ、骨粗鬆症などが、起こることがある。
貧血や月経痛のときは、鎮痛剤や鉄剤を使うこともあります。

A東洋医学的治療法(漢方薬・鍼灸)
あとで詳しく述べます。


子宮筋腫の手術

@膣式手術(比較的母体に負担が少ないが、子宮筋腫の大きさや、癒着の有無などによって、制限される。)
A腹式手術(これが、一般的である)

また、手術には、子宮筋腫核出術(こぶだけとる)と、子宮を全部とる(全摘手術)とがある。
(年齢にもよるが、更年期障害や、骨粗鬆症の予防のためには、卵巣は残す方がよい。)

麻酔は、異常がなければ、腰椎麻酔などによる下半身麻酔をする。
(治療を受ける前には、必ず、家族を交えて医師と相談し、説明を受けて、
どの治療を選択するのが一番よいのか、納得した上で実施してください。)

子宮筋腫と区別しなければならない病気
子宮肥大症、子宮腺筋症、卵巣腫瘍、妊娠子宮、子宮の悪性腫瘍など
子宮筋腫は悪性ではないが、子宮癌検診を兼ねて、30歳以上の婦人は、毎年、1回は検診を受けた方がよいでしょう。


手術には、主に2つの方法があり、
子宮を残して筋腫だけを取り除く筋腫核摘出術と、
子宮ごと全部取り除く子宮全摘術です。

年齢が若い女性、妊娠を希望する女性には、できるだけ筋腫核摘出術を行います。
ただし、この手術では、再発の可能性があります。

子宮全摘術の場合は、再発の心配はありません。
したがって、これが唯一の根本治療になります。

これら2つの手術には、それぞれ、開腹手術と腹腔鏡(ふくくうきょう)手術の2つの方法があります。

腹腔鏡手術は、おなかに小さな穴を開け、内視鏡などを差し込んで摘出します。
術後の回復が早いなどのメリットがありますが、高度な技術が要求されるため、
どこででもできるわけではありません。

手術後の性生活は、術後1ヶ月くらいは控えた方がよい。
その後は、普通にしてよいが、セックスで出血や痛みが出たら、すぐに担当医に連絡する。

手術するしないにかかわらず、
子宮筋腫を持つ人の注意点として、
ガードルなどでおなかを締めつけないこと、
体を冷やさないこと、特に下半身を冷やさないようにしてください。

子宮筋腫は、いわゆる「慢性疾患」で、長く付き合っていく病気ですが、
下腹部に激痛が走ったり、大量に出血したりしたら、すぐに担当医に連絡してください。


筋腫分娩(東洋医学=漢方鍼灸)

子宮粘膜下に発生、もしくは、子宮粘膜下に隣接した子宮筋腫が、筋腫息肉となり、膣外に娩出され、
子宮筋腫根茎の離断が起こり、膣外に自然排出されること。これを、筋腫分娩と呼ぶ。

鶏卵大の筋腫が、漢方の駆於血剤の長期服用と腰部、仙骨部、下腹部の筋腫圧痛点に刺鍼、筋腫の内に3〜5鍼直刺他にて、
筋腫消散したり、筋腫分娩(月経時自然排出)を促進させて消失させる。

明堂灸径=臍下の積気卵石の如く(卵大の子宮筋腫)、足寒へ、経委し、屈伸しがたきを治す。
神応経=臍下の血塊(臍下に触れる子宮筋腫)には、曲泉、復溜、気海、三陰交、命門、気衝、血海、その他、子宮血塊の要穴を用いる。
甲乙経=女子(前略)、腹脹満たしたる者(下腹部に触れる子宮筋腫)、(中略)、気衝にならべて上衝経絡に刺鍼すること三寸(下略)。
配穴=積気、血塊の内に三五鍼直刺する。



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