漢方専門 大山漢方堂薬局 Q&A集

No.1) にきびがひどい

相談内容

高3の女の子です。
スタイルはいい方だと思いますが、お肌が汚くてこまっています。
特ににきびがひどいです。痕(あと)が残るほどです。
クリームを塗って少しはよくなりますが、あとからあとから出てくるのでいやになります。
漢方薬で綺麗な肌になれませんか?

回答

「にきび」は、正式には尋常性ザソウといいます。
毛穴に一致して小さい丘疹ができ、そこが赤く腫れたり膿ホウ化(白いものがたまる)する症状で、顔、首、胸や背中によく出ます。
原因は、毛穴にある皮膚の脂腺から脂肪が過剰分泌され、脂肪が毛穴にたまることで細菌が繁殖した状態、これが「にきび」です。
思春期、生理前、季節の変わり目などのホルモンのバランスが乱れる時にできやすくなります。
また、便秘や寝不足、脂っこい食事なども影響します。
ファンデーションや日焼け止めクリームなどで毛穴をふさいだ状態を長く続けるのもよくありません。
ほおっておくと重症になり、赤く腫れたり、治りにくくなり、治ってもシミになったり痕がのこったりします。
早めの対策が必要です。その方法ですが、まずライフスタイル(生活習慣)の見直しが第一です。
まず、油っぽい食事を控えます。糖分も脂肪の材料になるので甘いものも控えます。
次に、生活のリズムを規則的にして、睡眠不足を避けます。
さらに、朝晩の洗顔で皮膚表面を清潔に保って、毛穴がつまらないようにします。
これでだいぶよくなるはずです。
 この方は高3の方なので受験を控えてストレスや夜遅くまで勉強をしているのでしょう。
ライフスタイルを整えるのにも無理があるかもしれません。そんな方にはやはり漢方が一番だといえます。
 漢方薬は、その人の体質、にきびの状態をみて、大きく6種類の処方を選びます。
また、便秘がある場合は「大黄甘草湯」などの便秘に対する漢方薬を併用するとより一層効果が上がります。
また、重症な人には、抗菌剤、抗生物質のクリームやローションなどで炎症反応を抑えながら漢方薬で体質を改善する
(根本的な治療をする)ことが、ベスト・オブ・ベストです。
この方は、お話しを聞くと、局所に痛みがあり、化膿がひどい、さらに便秘、冷え、のぼせ感、顔が赤黒い傾向、
ときに下腹部に圧痛があるということなので、「桃仁」「桂皮」を含む5種類の薬草を煎じて飲むことが一番よいです。
にきびも改善しますが、おそらく、その他の症状(痛み、冷え、便秘など)も改善されて、
以前より集中力もあがり勉強もよくできるようになるでしょう。

(注)漢方薬は、専門家に、ご相談の上、体質の合ったものを服用してください。


No.2) 月経不順で半年も月経がない。

相談内容

娘のことでご相談致します。
ここ2〜3年月経があまりなくて半年に1回くらいの状態が続いています。
ホルモン剤などは副作用が心配です。漢方薬で治療できるものなら教えてください。(娘36歳)

回答

それは、婦人科で「稀発(きはつ)月経」と呼ばれる状態と思われます。
娘さんの様態をうかがいますと、冷え症で手足が冷たく、朝がつらいということですから、
やや寒さに支配されたパワー不足の状態、漢方で言う「陰虚」の状態と考えられます。
こうしたタイプの女性の問題には、「当帰」「芍薬」を含む6種類の薬草を煎じて飲むことをお勧めします。
さらに、身体を作る元となる、消化器系(胃、腸)を丈夫にすることも大事ですから
「人参」「甘草」を含む4種類の薬草を併用すればベストです。
両方の漢方薬を朝晩2回飲むことです。
すると、身体が温まって、朝の寝起きもよくなり、元気が出てきます。
そうなると、いつのまにか毎月月経がある、という患者さんを私は多数知っています。

(注)漢方薬は、専門家に、ご相談の上、体質の合ったものを服用してください。


No.3) ストレスがあると胃と頭が同時に痛む

相談内容

ふだんは健康で胃も丈夫なほうだと思います。
でもストレスがかかると、胃が痛んで、頭痛もしてきます。
それぞれ2種類の痛み止めを飲んだらよけいひどくなって吐きそうになってしまいます。
副作用がなく両方に効く漢方薬があれば教えてください。(34歳・女性)

回答

漢方では、胃と頭が痛むという場合にも、まず全身の状態からみていきます。
この方は、冷えもあるし、汗が出て顔面が紅潮したりもすると言っています。
漢方医学で言うところの「陰陽混雑」の状態と言えます。
ストレスで胃腸の具合が悪くなると、頭痛が起きる、と言うことですから、まず胃腸を強くすると頭痛もよくなると考えられます。
こうした場合には、2種類の漢方薬をお勧めします。
 まず、顔はのぼせるが、足は冷える人、頭痛があり、みぞおちの抵抗感があって下痢しやすい人、
この方には、「桂枝」と「人参」を含む5種類の薬草を煎じて飲むことです。
 また、ストレスがかかるとイライラして怒りっぽくなったり、心の不安が大きくなる人には、
「柴胡」「半夏」を含む9種類の薬草を煎じて飲むことです。
 前者は、消化器系を強めて抗ストレス作用(ストレスに強くなる)を発揮します。
後者は、精神神経系を強めて抗ストレス作用を発揮します。
 これらの漢方薬をしっかり3〜6ヶ月飲み続ければ、
いつのまにか元気になり、痛みもなく、ストレスに強い体質に変化してくるものです。
私はこういった患者さんを多数経験しています。
(注)漢方薬は、専門家に、ご相談の上、体質の合ったものを服用してください。


No.4) つわりに効く漢方薬

相談内容

何かの雑誌に、つわりに漢方が効くと書いてありました。
ほとんどのひとが、がまんしてますが、妊娠中でも飲める漢方薬をおしえてください。

回答

つわりも重症になると、婦人科に入院して点滴でもしなければならないこともありますが、
普通のつわりなら漢方薬で十分です。そして漢方薬が一番安全です。
ファーストチョイスでおすすめの漢方薬は「小半夏加伏苓湯」という処方です。
つわりなどによる嘔吐には、脳の中にある吐く中枢神経が刺激されて起こる「中枢性嘔吐」と
胃粘膜が刺激されて起こる「末梢性嘔吐」があります。
この漢方薬は、その両方を抑制する働きがあり、つわりによく効きます。
また、一般的には、漢方薬は温かくして飲みますが、つわりに限っては温かいものを反対に冷蔵庫で一度冷やして、
冷たくしてから、一さじずつ飲むようにするのがコツです。(秘伝です)

(注)漢方薬は、専門家に、ご相談の上、体質の合ったものを服用してください。


No.5) 痩せていて体力がない

相談内容

痩せていて体力に自信がありません。
夏場など何をしてもすぐばててしまいます。
漢方に詳しいという近くの薬剤師さんに相談して、
補中益気湯、六君子湯、半夏寫心湯という漢方薬を、
8月から飲んでいますが、よくなりません。
この薬剤師さんは1年くらいは続けてみてくださいと言っていますが、
このままでよいのでしょうか? アドバイスをお願いします。

回答

Rさん、こんにちは、太れないという悩みをもつ方も、じつはけっこう多いものです。
こういう人は、まず、内科を受診して、一度甲状腺機能の検査をしていただきたいと思います。
甲状腺の機能が低下しているということになれば、甲状腺ホルモンを補充するか、
ホルモンの分泌を促進してあげるような漢方薬がベストということになります。
これであっさり問題解決という場合もあります。
甲状腺機能には問題がないが、それでも太れないということであれば、
体力をつける漢方薬がありますので、試してみるとよいでしょう。
いずれにしてもRさんの今の状態は、身体の基本的なバランスが崩れている状態と言えるわけです。
では基本的なバランスとは何かと言いますと、ホルモン・自律神経・代謝の3つのバランスのことです。
健康な方は、この基本的なバランスが整っていて、
はじめて健康な身体を維持していますがこれらのバランスが1つでも崩れると、
当然いろいろと悪い症状が出てくるわけです。
そしてその悪い状態が続いている、つまり明らかに身体の中に原因があると考えられるわけです。
やはり身体の中からしっかりと体質を変えて症状が出ないようにしていく、
漢方が一番よいと言えるわけです。
さて、Rさんがこれまで飲んでいた漢方薬はみな漢方医学でいう「陽」の状態の人に向く薬です。
Rさんの場合は、むしろ「陰」の状態なのかもしれません。
「陰」の人に向く薬としては、人参をベ−スにした「人参湯」や「小建中湯」などが候補になるでしょう。
それから漢方薬の服用期間についてですが、人間の細胞が生まれ変わる新陳代謝の期間、
つまり3ヶ月〜6ヶ月、このくらいは飲んでいてもよいと思いますが、
これは身体に合った漢方薬の場合です。
1ヶ月服用して何らかのよい効果が確認できなければ処方を変えてみることです。
Rさんの体質に合った漢方薬なら、もう何らかのよい効果が出てきているはずです。

(注)漢方薬は、専門家に、ご相談の上、体質の合ったものを服用してください。


No.6) 更年期

相談内容

1年ほど前から体調が悪く、いつもゾクゾクして背中は冷たいのに、頭は暑くて汗がたくさん出ます。
体温は35度くらいで、かぜをひきやすく、胃腸も弱いです。
漢方で元気になれませんか、(52歳女性) 

回答

例えば、身体は冷えるのに首から上だけ暑い、
また、カーッと暑くなっと思ったら、サーッと冷えたりするというのは、更年期障害によく見られる症状です。
しかし、更年期を過ぎても、こうした状態になることはあります。
全体的に体力も低下しているようですから、漢方医学の「陰陽虚実」で言えば、
「虚」の側で「陰と陽の間を行き来している」ような状態と考えられます。
 更年期障害によく効く漢方薬は、主に5種類ありますが、
こうした人には「加味逍遥散」という処方が一番です。
この処方は、のぼせたり冷えたり、症状が動いているような人には特によく効きます。
 同じ更年期障害でも、気分がゆううつで、若干ののぼせ感もあり、
冷えるという人なら「女神散」という処方もあります。

(注)漢方薬は、専門家に、ご相談の上、体質の合ったものを服用してください。


No.7) 長年ひどい便秘

相談内容

長年、ひどい便秘に悩まされ、胃腸も弱くて、冷え症です。
学生のころから便秘がひどく、毎日便は出ても、残便感があります。
胃腸も弱く、冷え症です。何度も血液や胃の検査を受けましたが、異常がないといわれます。
私自身はつらくてたまりません。漢方でなんとかならないでしょうか?(37歳・女性)

回答

冷えがあり、胃腸が弱いということですから、漢方医学でいう「陰虚」の状態にあたります。
こうした人に向く処方としては「桂枝加芍薬湯」がまず考えられます。
この漢方薬は、腸のけいれんが起きているような便秘に効く薬で、
過敏性腸症候群で便秘と下痢を繰り返す人にもよく用いられます。
腸のけいれんを抑えながら、胃腸の働きを整え、排便を促すもので、
身体も温まり、冷え症もよくなってきます。
便秘が強いようなら、これに「大黄」という生薬を加えて用いればさらによいかもしれません。
また、乾燥したコロコロ便が出るようなタイプなら「麻子仁」などの入った漢方薬も効果的です。
これらの処方は、腸の内容物を軟らかくして腸をうるおす作用があります。

(注)漢方薬は、専門家に、ご相談の上、体質の合ったものを服用してください。


No.8) 花粉症がひどい

相談内容

娘のことで相談します。
娘は色白でもち肌の17歳の高校生です。
「花粉症で鼻詰まりがひどく、鼻水やくしゃみが出て夜も眠れないし、朝は何となく顔がむくんでいる」と言います。
舌を見ると全体に腫れたような感じで、歯の痕が付いていました。
いつも苦しそうなので頻繁に吸入薬を使っています。
このままでは副作用が心配です。漢方薬で何とかなりませんか?

回答

この方は、今まで抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬を飲んでいました。
しかし、鼻水は止まっても鼻詰まりはよくならず、しかも口が乾き、眠くなるのでとても不愉快でした。
むくみやすいというのは、漢方医学でいう「水毒」体質の現れです。
このような人には、「半夏」「麻黄」など8種類の生薬を混合した漢方薬を用います。
すると間もなく症状が軽くなって、鼻詰まりも取れました。
私はこのような症例を多数経験しています。
この漢方薬は、厚生省の医薬品の再評価試験を通過して、科学的に有効性が確認されている漢方薬です。
この薬は、水毒体質の人を目標に使いますが、気管支喘息にも効果があります。
ただし、体質を考えずに胃腸の弱い人に用いると胃腸障害を起こしやすいことも科学的に証明されました。
このように、漢方薬には、独特の考え方があり、西洋医学にはないものがたくさんあります。
例えばこの水毒という考え方もその一つで、身体の中の水分代謝の異常という意味です。
花粉症のように、鼻水が出て止まらないこともその1例といえます。

(注)漢方薬は、専門家に、ご相談の上、体質の合ったものを服用してください。


No.9) 子宮内膜症があり、体外受精を考えています。

相談内容

卵管摘出、子宮筋腫、子宮内膜症の手術後、体外受精を試みましたが失敗、
その後、子宮内膜症が再発し、現在ホルモン薬を使っています。
また体外受精を予定していますが、漢方薬を併用して、もっと妊娠しやすい体質を作ることはできますか?(36歳・女性)

回答

体外受精による不妊治療は、まさに西洋医学の優れたところといえます。
こうした治療は西洋医学にまかせるとして、それがうまく子宮に着床するように環境を整えるのは、漢方が得意とするところです。
両方のよいところを合わせたら、最良の結果も望めるのではないでしょうか。
ホルモン薬と漢方薬の併用も問題ありません。
 ご相談の方は、「陰」の状態で、肌はあれやすいほう、便秘傾向はないとのことでした。
この患者さんに合う漢方薬は、桂皮、呉朱由を君薬、当帰、川弓、芍薬を臣薬とした12種類の生薬を厳選して調合します。
この漢方薬は、皮膚をうるおしながら、子宮や卵巣などの内部環境を整えていく薬です。
2週間ほど服用して、なんとなく体が温まり、皮膚の乾燥感もとれてきたようですから。
漢方が効いている証拠です。 妊娠まで、しばらく続けるとよいでしょう。


No.10) 夏が苦手で、暑くなると、腹痛や下痢を起こし、疲れやすい。

相談内容

毎年6月ごろになると、腹痛、下痢、ガスがたまりやすいという状態が続き、体が疲れやすくて、食べても体重が増えません。
秋になると落ち着きます。胃腸の検査では、胃下垂ぎみというだけでした。(27歳・女性)

回答

ご相談の方は、冬は電気毛布や使い捨てカイロを使い、冷房が苦手という「陰」の状態と、
手足に汗をかいたり、冷水を好んで飲むような「陽」の状態が混じっているということでした。
しかし、毎年暑い季節になると悪くなるというのは、「陽」の状態が疑われます。
胃下垂があって、疲れやすいというのは、「虚・実」でいえば、「虚」の側になります。
こうした人の腹痛や下痢には、柴胡を君薬、黄今を臣薬とした9種類の生薬を厳選して調合します。
疲れやすく、ストレスを受けやすい、ときどき肩こりや頭痛もする、
ということですから、この漢方薬が適合します。
半年以上前から少しずつ飲んでいって、6月に備えると万全でしょう。


No11) 腹部の膨満感に苦しめられている。

相談内容

10年以上前に喉頭がんで喉頭の全摘手術手術を受けました。
日常生活では支障はないのですが、おなかにガスがたまって、膨満感で苦しんでします。
漢方薬ですっきりさせることはできませんか。(60歳・男性)

回答

この方のように喉頭の手術をしたという人でなくても、腹部の膨満感を訴える人は多いものです。
だいたいはストレスが関係しているようです。
 ガスが多く、おなかが張って困る、少し気分がうっとうしい、食欲も不振であるという人には、
蘇葉を君薬、香附子を臣薬とした5種類の生薬を厳選した漢方薬を調合します。
この患者さんは、現在、コレステロールを下げる薬、不整脈の薬も飲んでいるとのことでしたが、
この漢方薬の中心となる生薬、蘇葉は、赤ジソの葉のことで、食品のような生薬ですから、
ほかの薬と併用してもまったく問題ありません。
 ストレスがたまる人、心身症的な胃腸症状のある人にも、この漢方薬は非常によく効きます。

続く



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